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給与市場調査で公正な報酬体系をつくる方法

韓国で賃金を決める事業主向けに、給与市場調査の仕組み、比較企業と職務の合わせ方、公的な賃金データ、結果を報酬方針に生かす方法をまとめました。

PAPATONY人事・労務2026年10月23日更新約5分で読めます

ひと目でわかるポイント

比較対象
同じ人材を実際に取り合う会社
職務の合わせ方
職名ではなく実際の業務と職級
点検の頻度
年1回、需要の高い職務は四半期・半期ごと
無料の公的データ
雇用労働部 賃金職業ポータル www.wagework.go.kr
法定の下限
2026年 時間給10,320ウォン、2027年 10,700ウォン
国外親会社のストックオプション
韓国法人が翌年3月10日までに明細書を提出

このガイドは、外資系企業の韓国法人を含め、韓国で賃金を決める創業者、人事管理者、財務担当者向けです。給与市場調査(급여 시장 조사、報酬ベンチマーク)とは何か、結果をどう使うかを説明します。要点は、実際に人材を取り合う会社と比べること、職名ではなく職務内容で合わせること、データを命令ではなく報酬方針の参考資料として使うことです。

給与市場調査とは

給与市場調査は、業種と規模が似た会社の報酬データを集め、職務・職級・業種別に整理する作業です。他社がいくら払っているかを調べるだけでなく、職務ごとに客観的な市場基準を見つけることが目的です。多くの会社では報酬・福利厚生(보상 및 복리후생)の担当部署が毎年実施します。多国籍企業では本社が国別データをまとめて管理し、地域に合わせて方針を決めることもあります。韓国でも、専門人材が重要なIT、金融、製薬の業界で積極的に使われています。

良いデータがあれば、会社は次のことができます。

  • 人件費の払い過ぎと、より良い条件の提示による人材流出を防ぎます。
  • 新規採用で現実的な年俸を提示します。
  • 既存社員の給与調整を根拠をもって説明します。

商用調査の進め方

調査の多くは、独自の方法論とデータベースを持つ人事コンサルティング会社が実施します。通常は自社のデータを提出して結果を受け取る相互交換方式です。正確で詳しいデータを出すほど、役に立つ結果が得られます。

提出データには、職級体系、職級ごとの人数、基本年俸、インセンティブの仕組み、その他の現金報酬が含まれます。結果は、最低・中央・最高の水準のような範囲の中で自社の給与がどこにあるかを示します。良い報告書は基本年俸だけでなく、成果給、長期インセンティブ、株式報酬を含む総報酬も分析します。

公的データも役に立ちます。雇用労働部(고용노동부)は賃金職業ポータル(임금직업포털、www.wagework.go.kr)を運営し、産業別・規模別・職業別の賃金情報を公開しています。調査を購入しない会社にとって無料の参考基準になります。

比較対象の選び方

比較対象の企業群は慎重に決めます。同じ業界というだけでは足りません。企業規模、ビジネスモデル、地域、成長段階を見て、同じ人材を実際に取り合う会社を選びます。

人材市場はいまや業界の境界を越えています。デジタル化を進める伝統的な金融会社がIT人材を採用するなら、他の金融会社だけでなくテック企業の報酬水準も見る必要があります。

職務は内容で合わせます。同じ職名でも、会社によって実際の業務と責任範囲が違います。実際に担う役割と必要な能力で比べます。コンサルティング会社はそのために標準化された職務分類体系を使います。

変化の速い職務と長期インセンティブ

電子商取引、フィンテック、人工知能のように急成長する分野では、報酬水準が速く動きます。ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、AI専門家は供給が足りず、一つのスタートアップの破格の提示が市場全体に影響します。年1回の調査では追いつきにくいため、こうした職務は四半期か半期ごとに確認するか、採用のたびに比較します。

こうした職務では、ストックオプションや譲渡制限付株式ユニット(RSU)といった長期インセンティブの比重が大きくなります。スタートアップは不足する現金報酬を株式報酬で補うことが多いです。これらも報酬パッケージの一部として評価します。知っておきたい韓国の税務ルールは次のとおりです。

  • 在職中にストックオプションを行使して得た利益は勤労所得です。退職後に行使するとその他所得になります。
  • ベンチャー企業が2027年12月31日までに付与したストックオプションの行使利益は、要件を満たせば年間2億ウォンまで非課税で、ベンチャー企業ごとの累計上限は5億ウォンです。
  • 韓国法人または外国法人の国内事業場の従業員が、国外の支配株主である外国法人から受けたストックオプションを行使したり株式報酬を受けたりした場合、会社は翌年3月10日までに株式買受選択権等取引明細書(주식매수선택권등 거래명세서)を提出しなければなりません。

調査結果を報酬戦略に変える

調査結果を参考資料として置いておくだけでは、費用に見合う効果は得られません。次の3つに活用します。

  1. 現状確認の道具として使います。経営陣や社員は「うちの給与は低い」「十分に競争力がある」と考えていても、実際のデータは違うことがあります。職級別・職務別に見て、最も弱い部分から直します。
  2. 採用と定着の基礎資料として使います。市場より大きく低い報酬は採用を難しくし、離職を招きます。大きく高い報酬は人件費の負担を増やします。適正な水準を見つけ、段階的な改善計画を立てます。
  3. 報酬哲学の根拠として使います。すべての職級と職務で市場最高水準を払うことはできません。どこで競争するかを決めます。たとえば中核職務は市場上位、一般職務は中央水準を目標にできます。

総報酬(총보상)の視点で考えます。基本給が多少低くても、充実した福利厚生、柔軟な働き方や在宅勤務、サバティカル休暇、自己啓発支援、キャリア開発の機会で補えます。こうした要素を現金より重視する候補者もいます。財務状況と成長段階にも合わせます。スタートアップは大企業並みの年俸の代わりに、株式報酬や成果配分で将来の価値を分かち合えます。どの戦略でも、すべての賃金は最低賃金以上でなければなりません。2026年は時間給10,320ウォン、2027年1月1日からは10,700ウォンです。2027年最低賃金10,700ウォン、2026年12月31日までに労働者へ周知も参照してください。

継続して点検する

給与市場調査は一度で終わる作業ではなく、続いていくプロセスです。市場は変わり、新しい競合が現れ、人材の需要も変わります。年次調査に、採用の過程で得た情報、退職面談の結果、業界ネットワークの情報を加え、素早く対応します。市場データにそのまま従うのではなく、自社の状況と戦略に合わせて判断して使います。

チェックリスト

  • 規模、ビジネスモデル、地域、成長段階、人材の競合関係で比較企業群を決めます。
  • 職名ではなく実際の業務で、自社の職務を調査の職級に対応させます。
  • 基本給と総報酬を分けて比較します。
  • 変化の速い職務は四半期か半期ごとに見直します。
  • 市場をリードする所、合わせる所、下回ってもよい所を報酬哲学として書き留めます。
  • すべての賃金を2026年と2027年の最低賃金と照らし合わせます。
  • ストックオプションとRSUを評価し、関係する韓国の税務・申告ルールを守ります。

よく目にする韓国語の用語

用語ローマ字表記意味
급여 시장 조사geubyeo sijang josa給与市場調査。似た会社の報酬データを集めて比べる調査です。
보상 및 복리후생bosang mit bongni husaeng報酬・福利厚生。給与と福利を担当する業務や部署です。
총보상chongbosang総報酬。基本給、成果給、株式報酬、福利厚生を合わせたものです。
직급jikgeup職級。会社組織の中での等級です。
성과급seonggwageup成果給。成果に応じて支払うボーナスです。
스톡옵션(주식매수선택권)seutogopsyeon (jusik maesu seontaekgwon)ストックオプション。決められた価格で自社株を買える権利です。
임금직업포털imgeum jigeop potel賃金職業ポータル。産業・規模・職業別の賃金情報を提供する雇用労働部のサイトです。
최저임금choejeo imgeum最低賃金。すべての賃金が上回るべき法定の下限です。

根拠

  • 雇用労働部 賃金体系概要(賃金職業ポータル www.wagework.go.kr の案内)(고용노동부 임금체계 개요): https://moel.go.kr/policy/policyinfo/wagesystemRenewal/main.do
  • 最低賃金法 第6条、雇用労働部告示 第2025-47号・第2026-60号(최저임금법 제6조, 고용노동부 고시): https://www.minimumwage.go.kr/customer/notice/view.do?bultnId=4774
  • 所得税法施行令 第38条第1項第17号(소득세법 시행령 제38조제1항제17호): https://www.law.go.kr/법령/소득세법시행령
  • 所得税法 第21条第1項第22号・第164条の5(소득세법 제21조제1항제22호, 제164조의5): https://www.law.go.kr/법령/소득세법
  • 租税特例制限法 第16条の2(조세특례제한법 제16조의2): https://www.law.go.kr/법령/조세특례제한법

このガイドは2026年10月23日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。