韓国の健康保険・労災保険の届出:14日の期限と遅れた場合
韓国で従業員を雇う事業主向けに、健康保険と労災保険の届出期限、届出が遅れたり漏れたりした場合の不利益、2026年の保険料率をまとめました。
ひと目でわかるポイント
- 健康保険の資格取得届
- 入社日から14日以内
- 労災保険の保険関係成立届
- 事業開始日から14日以内
- 雇用・雇用終了の届出
- 翌月15日まで
- 健康保険料率
- 2026年7.19%(労使折半)、2027年も7.19%
- 雇用の届出漏れ
- 1人あたり30,000ウォン、上限1,000,000ウォン
- 届出遅延中の労働災害
- 保険給付額の50%を事業主から徴収(上限あり)
このガイドは、韓国で従業員を雇うすべての事業主を対象としています。外国人が設立した会社や、従業員が1人だけの個人事業主も含まれます。14日の期限がある届出が2つあります。新しい従業員の健康保険の資格取得届と、事業を始めたときの労災保険の保険関係成立届です。保険料率と規定は2026年10月時点のものです。
適用対象
健康保険。 すべての事業場の労働者と使用者は、職場加入者(직장가입자)になります(「国民健康保険法(국민건강보험법)」第6条第2項)。次の人は除かれます。
- 雇用期間が1か月未満の日雇い労働者
- 非常勤の労働者、1か月の所定労働時間が60時間未満の短時間労働者
- 所在地が一定しない事業場の労働者と使用者
- 労働者がいない、または上の短時間労働者だけを雇っている事業場の事業主(施行令第9条)
外国人登録(외국인등록)などをして適用事業場で働く外国人労働者も職場加入者です。外国人の雇用保険は扱いが異なります。在留資格で変わる外国人従業員の雇用保険をご覧ください。
労災保険(산재보험)。 「産業災害補償保険法(산업재해보상보험법)」は、労働者を使用するすべての事業に適用されます(第6条)。最低労働時間の基準はなく、労働者の国籍も問いません。2018年7月1日から、ほぼすべての事業に適用が広がりました。残る例外は限られています(施行令第2条)。
- 公務員、軍人、船員、漁船員、私立学校教職員の災害補償制度が適用される事業
- 家庭内の雇用活動
- 法人でない者が営む農業、林業(伐木業を除く)、漁業、狩猟業のうち、常時労働者が5人未満の事業
健康保険:何をいつ届け出るか
| 届出 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 事業場の適用届(適用対象事業場になったとき) | 14日以内 | 国民健康保険法第7条 |
| 新しい従業員の職場加入者資格取得届 | 資格取得日(入社日)から14日以内 | 国民健康保険法第8条第2項・第9条第2項 |
| 前年の報酬総額の通知 | 3月31日まで | 施行令第35条第1項 |
2025年1月1日から、前年分の簡易支払明細書(간이지급명세서)を税務署に提出した使用者は、報酬総額を通知したものとみなされます。ただし、記載漏れや誤りのため国民健康保険公団(국민건강보험공단)が必要な事項を確認できない場合は除きます(施行令第35条第3項)。3月31日という期限は、2026年10月1日に施行された改正施行令によるもので、以前は3月10日でした。
2026年の健康保険料率は月額報酬の7.19%で、使用者と労働者が半分ずつ負担します。健康保険政策審議委員会は2026年9月8日、2027年の保険料率を7.19%に据え置くと議決しました。長期療養保険料は健康保険料と一緒に徴収されます(「老人長期療養保険法(노인장기요양보험법)」第8条第2項)。2026年の長期療養保険料率は所得の0.9448%です。
労災保険:2種類の届出
- 保険関係成立届(보험관계 성립신고)。 保険関係は、届け出たかどうかにかかわらず、事業を始めた日に成立します(「雇用保険及び産業災害補償保険の保険料徴収等に関する法律(고용보험 및 산업재해보상보험의 보험료징수 등에 관한 법률)」、以下「保険料徴収法」、第7条)。成立した日から14日以内に勤労福祉公団(근로복지공단)に届け出てください(第11条第1項)。14日以内に終わる事業は、終わる日の前日までに届け出ます。一定期間の常時労働者数で適用の有無が決まる事業は、その期間が終わった日から14日以内に届け出ます。施行規則の別紙第2号書式(별지 제2호서식)を使います。建設業と伐木業は別紙第3号書式に、工事請負契約書の写し(工事費明細書を含む)を添えます(施行規則第7条第1項)。この届出は雇用保険にも共通です。
- 労働者の雇用・雇用終了の届出。 新たに雇った労働者は、雇った日の属する月の翌月15日までに届け出ます。雇用関係が終わった労働者は、終わった日の属する月の翌月15日までに届け出ます(第16条の10第3項・第4項)。1か月の所定労働時間が60時間未満の労働者などは、届け出なくてもかまいません。「雇用保険法(고용보험법)」第15条により被保険者資格を届け出ていれば、重ねて届け出る必要はありません(第16条の10第7項)。
元の記事は、労災保険ではその後の入社者を届け出る必要がないとしていました。これは誤りです。入社と退社は、どちらも届け出が必要です。
事業主は毎年3月15日までに、前年の雇用保険・労災保険の報酬総額も申告します(第16条の10第1項)。これらの届出は、4大社会保険情報連携センター(4대사회보험 정보연계센터、www.4insure.or.kr)で行えます。このサイトでは、4つの社会保険の事業場の成立、加入者の資格取得と喪失を扱っています。
届出が遅れたり漏れたりした場合
| 違反 | 結果 | 根拠 |
|---|---|---|
| 健康保険の事業場適用届をしない、または虚偽の届出 | 5,000,000ウォン以下の過料 | 国民健康保険法第119条第3項 |
| 健康保険の資格取得届の遅れ | 資格取得日の属する月の翌月(1日に取得した場合はその月)から保険料が課される | 国民健康保険法第69条第2項 |
| 保険関係成立届をしない、または虚偽の届出 | 過料は1回目1,000,000ウォン、2回目2,000,000ウォン、3回目以降3,000,000ウォン | 保険料徴収法第50条、施行令別表2 |
| 雇用・雇用終了の届出漏れ | 1人あたり30,000ウォン、上限1,000,000ウォン | 同上 |
| 雇用・雇用終了の虚偽届出 | 1回目は1人あたり50,000ウォン(上限1,000,000ウォン)、2回目は80,000ウォン(上限2,000,000ウォン)、3回目以降は100,000ウォン(上限3,000,000ウォン) | 同上 |
| 成立届を怠っていた期間中の労働災害 | 療養開始から1年以内に請求事由が生じた保険給付額の50%を事業主から徴収(その期間の保険料の5倍が上限) | 保険料徴収法第26条、施行令第34条第1項 |
労災保険が支給する給付
| 給付 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 療養給付(요양급여) | 労災保険の医療機関での治療。3日以内の療養で治る場合は支給されない | 第40条 |
| 休業給付(휴업급여) | 療養のため働けない期間の1日あたり平均賃金の70%。3日以内なら支給されない | 第52条 |
| 障害給付(장해급여) | 障害等級に応じた年金または一時金 | 第57条 |
| 介護給付(간병급여) | 治癒後に常時または随時の介護が必要で、実際に介護を受けている人 | 第61条 |
| 遺族給付(유족급여) | 業務上の死亡の際に遺族に支払う年金または一時金 | 第62条 |
| 傷病補償年金(상병보상연금) | 療養開始から2年たっても治らず、重症療養状態等級に当たり、働けない場合に休業給付に代えて支給 | 第66条 |
| 葬祭費(장례비) | 平均賃金の120日分(告示された上限・下限の範囲内) | 第71条 |
| 職業リハビリ給付(직업재활급여) | 職業訓練の費用と手当、職場復帰の支援 | 第72条 |
保険給付は、受給権者の請求によって支払われます(第36条第2項)。労働者や遺族が勤労福祉公団に請求する必要があります。
チェックリスト
- 最初の従業員を雇うときは、健康保険の事業場適用届と、雇用保険・労災保険の保険関係成立届を、それぞれ14日以内に行ってください。
- 従業員が入るたびに、健康保険は14日以内、国民年金・雇用保険・労災保険は翌月15日までに届け出てください。
- 従業員の氏名、住民登録番号または外国人登録番号、入社日、報酬を正しく管理してください。誤って届け出ると訂正の届出が必要になり、給付を受けるときに問題が起きることがあります。
- 毎年3月には、簡易支払明細書が税務署に提出されたかを確認してください。雇用保険・労災保険の報酬総額は3月15日までに申告してください。
よく目にする韓国語の用語
| 用語 | ローマ字表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 직장가입자 | jikjang gaipja | 職場加入者。事業場を通じて健康保険に加入する労働者と使用者です。 |
| 자격취득 신고 | jagyeok chwideuk singo | 資格取得届。従業員が保険の加入者になるときの届出です。 |
| 보험관계 성립신고 | boheom gwangye seongnip singo | 保険関係成立届。事業が雇用保険・労災保険の適用を受けることの届出です。 |
| 산재보험 | sanjae boheom | 労災保険(産業災害補償保険)の略称です。 |
| 근로복지공단 | geullo bokji gongdan | 勤労福祉公団。労災保険の成立届や保険給付を扱う公的機関です。 |
| 국민건강보험공단 | gungmin geongang boheom gongdan | 国民健康保険公団。健康保険を運営する公的機関です。 |
| 간이지급명세서 | gani jigeup myeongseseo | 簡易支払明細書。給与などを税務署に報告する簡単な明細書です。 |
| 보수총액 | bosu chongaek | 報酬総額。保険料の精算に使う1年間の報酬の合計です。 |
| 요양급여 | yoyang geubyeo | 療養給付。業務上のけがや病気の治療に対する給付です。 |
| 과태료 | gwataeryo | 過料。行政機関が科す金銭的な制裁です。 |
根拠
- 国民健康保険法 第6条・第7条・第8条・第9条・第69条・第119条(국민건강보험법): https://www.law.go.kr/법령/국민건강보험법
- 国民健康保険法施行令 第9条・第35条・第44条(국민건강보험법 시행령): https://www.law.go.kr/법령/국민건강보험법시행령
- 保健福祉部 報道資料、2027年の健康保険料率(보건복지부 보도자료, 2026.9.8): https://mohw.go.kr/board.es?act=view&bid=0027&list_no=1491824&mid=a10503010100&nPage=1&tag=
- 老人長期療養保険法 第8条(노인장기요양보험법): https://www.law.go.kr/법령/노인장기요양보험법
- 老人長期療養保険法施行令 第4条、2026年の料率(노인장기요양보험법 시행령): https://www.law.go.kr/법령/노인장기요양보험법시행령
- 雇用保険及び産業災害補償保険の保険料徴収等に関する法律 第7条・第11条・第16条の10・第26条・第50条(고용보험 및 산업재해보상보험의 보험료징수 등에 관한 법률): https://www.law.go.kr/법령/고용보험및산업재해보상보험의보험료징수등에관한법률
- 同法施行令 第34条、別表2(같은 법 시행령): https://www.law.go.kr/법령/고용보험및산업재해보상보험의보험료징수등에관한법률시행령
- 同法施行規則 第7条、別紙第2号・第3号書式(같은 법 시행규칙): https://www.law.go.kr/법령/고용보험및산업재해보상보험의보험료징수등에관한법률시행규칙
- 産業災害補償保険法 第5条・第6条・第36条・第40条・第52条・第57条・第61条・第62条・第66条・第71条・第72条(산업재해보상보험법): https://www.law.go.kr/법령/산업재해보상보험법
- 産業災害補償保険法施行令 第2条、附則(大統領令第28506号)(산업재해보상보험법 시행령): https://www.law.go.kr/법령/산업재해보상보험법시행령
- 生活法令情報「産業災害補償保険法の適用範囲」(찾기쉬운 생활법령정보): https://www.easylaw.go.kr/CSP/OnhunqueansInfoRetrieve.laf?onhunqnaAstSeq=82&onhunqueSeq=1786
- 国民年金法施行規則 第6条第1項(국민연금법 시행규칙): https://www.law.go.kr/법령/국민연금법시행규칙
- 4大社会保険情報連携センター(4대사회보험 정보연계센터): https://www.4insure.or.kr/
このガイドは2026年10月26日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。

