仕入税額の不控除は第39条第1項の列挙事由だけ、登録前の仕入れは20日以内なら控除
仕入税額の不控除は、韓国の付加価値税法第39条第1項の列挙事由に限られます。付加価値税を申告する会社は、登録前の仕入れも20日以内に登録を申請すれば控除できます。
ひと目でわかるポイント
- 法的根拠
- 付加価値税法第39条第1項第1号~第8号
- 第3号
- 2014年1月1日付で削除
- 事業者登録前の仕入れ
- 課税期間終了後20日以内に登録申請すれば控除
- 第1期の例
- 6月に購入、7月20日までに登録申請で1月1日以降分を控除
- 供給価額の誤記
- 差額に相当する税額だけ不控除
- 乗用車(第5号)
- 購入・賃借・維持すべて不控除、大統領令の業種は除く
このガイドは、韓国で付加価値税(VAT)の申告を準備・確認する外国人の創業者、経営者、経理担当者向けです。韓国の付加価値税申告では、売上で受け取った付加価値税から、仕入れで支払った付加価値税を差し引きます。仕入れで支払った付加価値税を仕入税額(매입세액)といいます。ルールを一行でまとめると、仕入税額が控除されないのは付加価値税法(부가가치세법)第39条第1項に列挙された事由だけで、事業者登録前の仕入れも、課税期間の終了後20日以内に登録を申請すれば控除できます。
第39条第1項の一覧
第39条第1項は、仕入税額が控除されない場合を8つの号(호)で列挙しています。原則として、これ以外の理由で恣意的に控除が否認されることはありません。一覧を暗記するより、自社に実際に当てはまる号を選んでおく方が実務的です。
| 号 | 控除されない仕入税額 |
|---|---|
| 1 | 仕入先別税金計算書合計表(매입처별 세금계산서합계표)を提出しなかった場合、または取引先別の登録番号・供給価額が記載漏れか事実と異なる部分 |
| 2 | 税金計算書(세금계산서)・輸入税金計算書(수입세금계산서)の交付を受けていない場合、または必要的記載事項(필요적 기재사항)に記載漏れ・不備がある場合 |
| 4 | 事業と直接関係のない支出で、大統領令で定めるもの |
| 5 | 個別消費税法(개별소비세법)上の自動車の購入・賃借・維持に関する仕入税額 |
| 6 | 企業業務推進費(기업업무추진비)およびこれに類似する費用の支出に関する仕入税額 |
| 7 | 免税事業等(면세사업등)に関する仕入税額と、大統領令で定める土地関連の仕入税額 |
| 8 | 税務署への事業者登録(사업자등록)を申請する前の仕入税額 |
第3号は2014年1月1日付で削除されました。古い資料にはまだ残っていることがあるため、一覧を書き写すときは確認してください。号の番号は1から8までですが、現在適用されるのは7つです。
税金計算書は、韓国で供給者が発行する付加価値税の証憑です。輸入税金計算書は、輸入した貨物について同じ役割を果たす証憑です。ここでいう大統領令(대통령령)とは、付加価値税法施行令(부가가치세법 시행령)のことです。
第1号・第2号に組み込まれた救済
第1号と第2号には、それぞれただし書き(단서)があります。「大統領令で定める場合の仕入税額は除く」という文言で、これが実務上の救済ルートです。合計表の記載誤りや必要的記載事項の記載不備があっても、施行令が定める一定の場合には控除が維持されます。誤りを見つけてもすぐにあきらめず、まず施行令の該当条文を確認してください。
第2号の括弧書きも重要です。供給価額が事実と異なって記載された場合、否認されるのは実際の供給価額と誤って記載された金額との差額に相当する税額だけです。全額ではなく、差額分だけを調整します。
供給者が税金計算書をまったく発行しない場合は、買い手が発行する税金計算書のガイドをご覧ください。
第8号:登録前の仕入れと20日ルール
事業者登録を申請する前の仕入税額は、原則として控除されません。しかし、ただし書きが期間を設けています。供給時期が属する課税期間の終了後20日以内に登録を申請した場合、登録申請日からその課税期間の起算日までさかのぼった期間内の仕入税額は、不控除の対象から除かれます。
例を挙げます。第1期課税期間(제1기 과세기간)は1月1日から6月30日までです。6月に設備を購入し、7月20日までに事業者登録を申請すれば、1月1日以降の仕入税額が生き返ります。
創業準備の段階では、支出が先に発生し、登録が後になることがよくあります。この20日以内に間に合えば、準備期間の投資分の仕入税額を回収できます。20日を過ぎると、その課税期間全体の仕入税額が失われます。
予防できるものと構造的なもの
各号を同じ重さで見る必要はありません。
- 第1号・第2号:証憑管理の問題です。社内の仕組みでほとんど予防できます。
- 第8号:タイミングの問題です。登録時期を早めれば解決します。
- 第4号・第5号・第6号:支出の性格の問題です。会計処理の段階で勘定科目を正確に分けることが要点です。
- 第7号:事業構造の問題です。免税事業を兼営していれば按分計算に移ります。
第5号の自動車からは、運送業・自動車販売業など大統領令で定める業種で直接営業に使うものが除かれます。業種が該当しなければ、購入だけでなく賃借と維持に関する仕入税額もすべて控除されません。リース料やガソリン代も控除対象外になります。法人税は別の問題です。法人税で業務用乗用車関連費用の一部が損金として認められても、付加価値税の仕入税額が控除されるわけではありません。業務用乗用車のガイドもご覧ください。
第6号の企業業務推進費は、法人税法(법인세법)上の限度額計算と連動します。福利厚生費(복리후생비)として計上すると、付加価値税では控除される一方、法人税では限度額の外に出るという不一致が生じます。2つの税目を同じ基準で分類するのが安全です。企業業務推進費の限度額ガイドもご覧ください。
施行令が定める部分
次の事項は、法律ではなく付加価値税法施行令に定められています。
- 第1号・第2号のただし書きにいう「大統領令で定める場合」
- 第4号の「事業と直接関係のない支出」の範囲
- 第5号の例外業種
- 第6号の類似費用
- 第7号の土地関連の仕入税額
このガイドには、法律の条文で確認できた内容だけを記載しています。個別の判断は施行令の該当条文で確認してください。
チェックリスト
- 仕入先別税金計算書合計表を期限内に提出する。
- 合計表の取引先別登録番号と供給価額を原本と照合する。
- 税金計算書の必要的記載事項4項目を一つずつ確認する。
- 供給価額の誤記は差額分だけが否認されることを反映して調整する。
- 記載誤りがあっても、まず施行令のただし書きによる救済対象かを確認する。
- 事業と直接関係のない支出は別の勘定に分ける。
- 乗用車関連の仕入れは、購入・賃借・維持のすべてを不控除として処理する。
- 自社の業種が第5号の例外に当たるかを確認する。
- 企業業務推進費の性格の支出を福利厚生費と混ぜない。
- 法人税の接待費集計と付加価値税の不控除集計を同じ基準にそろえる。
- 免税事業を兼営している場合は、共通仕入税額の按分計算(공통매입세액 안분계산)を適用する。
- 土地関連仕入税額の範囲を施行令で確認する。
- 新規事業者は、登録申請日と課税期間終了日の間隔を計算する。
- 準備期間の仕入れがあれば、課税期間終了後20日以内に登録を申請する。
- 輸入税金計算書は通関資料と照合し、漏れを探す。
- 簡易課税者(간이과세자)が発行したものは、仕入税額控除の対象かどうかを取引の段階で確認する。
- 不控除とした仕入税額は仕入価額に含め、資産または費用として計上する。
よく目にする韓国語の用語
| 用語 | ローマ字表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 매입세액 | maeip seaek | 仕入税額。仕入れで支払った付加価値税で、売上で受け取った付加価値税から差し引きます。 |
| 부가가치세법 | bugagachise-beop | 付加価値税法。第39条第1項に不控除の事由が列挙されています。 |
| 매입처별 세금계산서합계표 | maeipcheobyeol segeum gyesanseo hapgyepyo | 仕入先別税金計算書合計表。受け取った税金計算書を仕入先ごとにまとめ、申告時に提出します。 |
| 세금계산서 | segeum gyesanseo | 税金計算書。韓国で供給者が発行する付加価値税の証憑です。 |
| 필요적 기재사항 | piryojeok gijae sahang | 必要的記載事項。税金計算書に必ず記載する項目で、漏れや誤りがあると不控除になり得ます。 |
| 기업업무추진비 | gieop eommu chujinbi | 企業業務推進費。取引先の接待などの費用で、関連する仕入税額は控除されません。 |
| 사업자등록 | saeopja deungnok | 事業者登録。事業を税務署に登録する手続きです。 |
| 면세사업 | myeonse saeop | 免税事業。付加価値税が免除される事業で、関連する仕入税額は控除されません。 |
| 공통매입세액 안분계산 | gongtong maeip seaek anbun gyesan | 共通仕入税額の按分計算。課税事業と免税事業の両方に使った仕入税額を分けて計算します。 |
| 간이과세자 | gani gwaseja | 簡易課税者。簡易課税制度が適用される小規模事業者です。 |
根拠
- 付加価値税法第39条第1項(부가가치세법 제39조 제1항)
- 付加価値税法施行令(부가가치세법 시행령)
- 個別消費税法(개별소비세법)
このガイドは2026年10月19日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。

