企業業務推進費の限度額、中小企業は3,600万ウォンから
企業業務推進費(交際費)の損金限度額は、韓国では基本限度と収入金額別限度の合計です。中小企業の基本限度は1年で3,600万ウォンです。
ひと目でわかるポイント
- 基本限度
- 1,200万ウォン(中小企業3,600万ウォン)×月数÷12
- 収入金額別限度
- 100億ウォン以下0.3%、超過区間0.2%・0.03%
- 特殊関係人の収入金額
- 率を適用した金額の10%のみ反映
- 適格証憑が必要な基準
- 1件3万ウォン超(慶弔金は20万ウォン)
- 不動産賃貸業など
- 施行令第42条第2項の要件に当たれば限度額50%
- 限度超過額
- 損金不算入、その他社外流出として所得処分
このガイドは、決算と法人税申告を担当する韓国の会社(外資系企業を含む)の経理・税務担当者を対象としています。企業業務推進費(기업업무추진비、いわゆる交際費)は、限度額の範囲内でしか損金に算入できません。限度額は基本限度と収入金額別限度を合計した額で、中小企業の基本限度は3,600万ウォンから始まります。
名称が変わり、限度額は二層構造
接待費(접대비)という名称は、2024年から法律上なくなりました。法人税法(법인세법)第25条の見出しは企業業務推進費です。勘定科目を接待費のままにしていても、税務調整(세무조정)はこの条文で行います。実務では、名称よりも限度額の計算が二層構造になっている点が重要です。
限度額は、基本限度と収入金額別限度をそれぞれ計算して足した金額です。大きい方を選ぶのではなく合算します。売上が小さくても基本限度があり、売上が増えればその分限度額も増えます。
基本限度:中小企業なら3,600万ウォン
法人税法第25条第4項第1号の計算式は単純です。1,200万ウォン(中小企業は3,600万ウォン)に、その事業年度の月数を掛けて12で割ります。月数は暦に従って計算し、1か月未満の日数は1か月とみなします。
- 一般法人の基本限度:1,200万ウォン × 事業年度の月数 ÷ 12
- 中小企業の基本限度:3,600万ウォン × 事業年度の月数 ÷ 12
- 月数の計算:1か月未満の日数は1か月に切り上げ
- 中小企業の判定:租税特例制限法(조세특례제한법)第6条第1項による中小企業
7月に設立した12月決算の中小法人なら、月数は6です。基本限度は36,000,000ウォン × 6 ÷ 12 = 18,000,000ウォンになります。設立初年度に限度額を丸ごと使えると考えて支出すると、その半分が損金(손금)から外れます。
収入金額別限度:100億ウォンまでは0.3%
第4項第2号は、収入金額に次の率を適用します。区間ごとの累進構造なので、単純な掛け算ではありません。
| 収入金額 | 率 |
|---|---|
| 100億ウォン以下 | 0.3パーセント |
| 100億ウォン超500億ウォン以下 | 3,000万ウォン+(収入金額-100億ウォン)×0.2パーセント |
| 500億ウォン超 | 1億1,000万ウォン+(収入金額-500億ウォン)×0.03パーセント |
ここでいう収入金額(수입금액)は、法人税法施行令第42条第1項により企業会計基準で計算した売上高です。事業年度中に中断した事業部門の売上高も含みます。特殊関係人(특수관계인)との取引から生じた収入金額については、上の率を適用して算出した金額の100分の10だけを限度額として認めます。関係会社への売上比率が高い法人は、このただし書きのために限度額が思ったより小さくなります。
売上30億ウォンの中小企業なら、36,000,000ウォン+(3,000,000,000ウォン×0.3%)=36,000,000ウォン+9,000,000ウォン=45,000,000ウォンが年間の限度額です。
不動産賃貸業が主業なら限度額は半分
第25条第5項は、大統領令で定める要件に当たる内国法人について、基本限度と収入金額別限度の合計額の100分の50を超える金額を損金に算入しないと定めています。施行令第42条第2項がその要件を列挙しています。このガイドで確認できたのは次の二つです。要件の全体は施行令第42条第2項の原文で確認してください。
- 事業年度終了日現在、支配株主等(지배주주등)が保有する株式等の合計が、発行済株式総数または出資総額の100分の50を超えること
- その事業年度に不動産賃貸業を主たる事業とするか、賃貸料・利子・配当などの合計が企業会計基準による売上高の100分の50以上であること
同じ要件は、業務用乗用車の減価償却費限度を800万ウォンから400万ウォンに減らす規定(法第27条の2第5項)にもそのまま適用されます。持株会社的な性格が強い法人は、二つの限度額が同時に半分になるということです。車両については業務用乗用車の運行記録簿と業務専用保険もご覧ください。
限度額の前に証憑で外れる
限度額の計算は二つ目の関門です。一つ目の関門は第25条第2項です。1回の接待に支出した金額が施行令第41条第1項の基準を超えるのに適格証憑(적격증빙)がなければ、その支出は限度額の計算に入る前に損金から外れます。
- 慶弔金(경조금):20万ウォン
- その他の場合:3万ウォン
- 適格証憑:クレジットカード売上伝票、現金領収証、税金計算書、計算書、源泉徴収領収証など
- クレジットカード等は、その法人名義で発行されたものに限る(施行令第41条第6項)
- 加盟店名義が実際の供給者と異なる売上伝票は認められない(同条第5項)
第2項ただし書きが認める例外は二つだけです。一つ目は、国外で現金以外の支払手段がなく証拠資料をそろえにくい場合の、その国外での支出です。二つ目は、農漁民から直接財貨の供給を受け、その対価を金融会社等を通じて支払った支出です。この場合も、法人税の申告時に送金明細書(송금명세서)を添付して提出しなければ認められません。海外出張が多い法人は一つ目の例外を根拠に整理できますが、現地でカードが使える地域での現金支出はこれに当たりません。
決算前のチェックリスト
- 勘定科目が接待費のままでも、税務調整は企業業務推進費として行います。
- 中小企業に当たるかどうかを、租税特例制限法第6条第1項の基準で確定します。
- 設立・合併などで事業年度が1年未満なら、基本限度を月割りで減らします。
- 収入金額は企業会計基準の売上高とし、中断事業の売上高を含めます。
- 特殊関係人との取引による売上高を別に集計し、10%だけを反映します。
- 1件3万ウォン超の支出で適格証憑が欠けているものを先に除きます。
- 慶弔金は20万ウォンの基準で別に確認します。
- 法人名義でないカードで決済した取引を洗い出します。
- 売上伝票の商号・事業所所在地が実際の供給者と同じか確認します。
- 国外での現金支出は、その地域に他の支払手段がなかった事情を記録しておきます。
- 農漁民からの直接購入分は、送金明細書を添付したか申告前に確認します。
- 不動産賃貸収入の比率が売上高の50%に近づいたら、50%縮小の規定を事前に検討します。
- 支配株主等の持分比率が50%を超えるか、事業年度終了日を基準に確認します。
- 福利厚生費・広告宣伝費に分類した支出に、接待の性格が混じっていないか確認します。
- 限度超過額は、その他社外流出(기타사외유출)として所得処分します。
作業の順序は、損金の段階で外れる金額をまず減らし、その後に法人税の控除・減免を適用することです。申告後に漏れを見つけた場合は、更正の請求(경정청구)という手段が残っています。法人税申告の全体スケジュールは法人税申告の準備をご覧ください。
よく目にする韓国語の用語
| 用語 | ローマ字表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 기업업무추진비 | gieop eommu chujinbi | 企業業務推進費。2024年から使われている接待費(交際費)の法律上の名称です。 |
| 접대비 | jeopdaebi | 接待費。企業業務推進費の旧名称で、勘定科目名としてまだ多く使われています。 |
| 손금 | songeum | 損金。法人税の計算で費用として認められる金額です。 |
| 세무조정 | semu jojeong | 税務調整。会計上の数字を税法上の所得に修正する作業です。 |
| 수입금액 | suip geumaek | 収入金額。限度額の計算に使う企業会計基準の売上高で、中断事業の売上高を含みます。 |
| 특수관계인 | teuksu gwangyein | 特殊関係人。会社と特殊な関係にある者で、その取引の収入金額は10%だけ反映します。 |
| 적격증빙 | jeokgyeok jeungbing | 適格証憑。クレジットカード売上伝票・現金領収証・税金計算書・計算書・源泉徴収領収証など、法律が認める証憑です。 |
| 기타사외유출 | gita saoe yuchul | その他社外流出。限度超過額に適用する所得処分の種類です。 |
| 지배주주등 | jibae juju deung | 支配株主等。支配株主とその特殊関係人で、合計持分50%超が限度額半減の要件の一つです。 |
| 송금명세서 | songgeum myeongseseo | 送金明細書。農漁民への代金を金融会社等で送金した明細で、法人税申告時に添付が必要です。 |
根拠
- 法人税法第25条第2項・第4項・第5項(법인세법 제25조 제2항·제4항·제5항)
- 法人税法第27条の2第5項(법인세법 제27조의2 제5항)
- 法人税法施行令第41条第1項・第5項・第6項(법인세법 시행령 제41조 제1항·제5항·제6항)
- 法人税法施行令第42条第1項・第2項(법인세법 시행령 제42조 제1항·제2항)
- 租税特例制限法第6条第1項(조세특례제한법 제6조 제1항)
このガイドは2026年10月19日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。

