整理解雇は50日と30日、二つの期限で動きます
整理解雇を韓国で行う使用者は、50日前までに労働者代表へ通知して協議し、一定規模以上なら30日前までに雇用労働部長官へ申告しなければなりません。
ひと目でわかるポイント
- 労働者代表への通知・協議
- 解雇予定日の50日前まで
- 雇用労働部長官への申告
- 最初の解雇日の30日前まで(規模基準に該当する場合)
- 申告基準(1か月累計)
- 99人以下は10人以上、100~999人は10%以上、1,000人以上は100人以上
- 解雇予告
- 30日前の予告、または30日分以上の通常賃金
- 書面通知
- 理由と時期を書面で通知しなければ効力なし
- 根拠
- 勤労基準法第24条・第26条・第27条、施行令第10条
このガイドは、経営上の理由による解雇(경영상 이유에 의한 해고)、いわゆる整理解雇を検討している韓国の使用者(外資系企業を含む)と人事担当者を対象としています。二つの期限が同時に進みます。解雇しようとする日の50日前までに労働者代表へ通知して協議しなければなりません。一定規模以上であれば、最初に解雇しようとする日の30日前までに雇用労働部長官へ申告する必要もあります。
重なって進む二つの期限
整理解雇で最初に崩れるのは、要件ではなく日程です。勤労基準法(근로기준법)第24条第3項は、解雇しようとする日の50日前までに労働者代表(근로자대표)へ通知し、誠実に協議するよう求めています。同法施行令(시행령)第10条は、一定規模以上であれば、最初に解雇しようとする日の30日前までに雇用労働部長官(고용노동부장관)へ申告するよう求めています。二つの期限は並行して進みます。
四つの要件
第24条第1項から第3項までが要件を定めています。第5項は、これを満たして解雇した場合は第23条第1項の正当な理由がある解雇をしたものとみなすと規定しています。
- 緊迫した経営上の必要があること(第1項)
- 経営悪化を防ぐための事業の譲渡・引受・合併は、緊迫した経営上の必要があるものとみなす(第1項後段)
- 解雇を避けるための努力を尽くすこと(第2項)
- 合理的で公正な解雇の基準を定め、それに従って対象者を選定すること(第2項)
- 男女の性を理由に差別しないこと(第2項後段)
- 労働者代表に50日前までに通知し、誠実に協議すること(第3項)
労働者代表とは、その事業または事業場に労働者の過半数で組織された労働組合があればその労働組合、なければ労働者の過半数を代表する者です。過半数労組がない会社は、労働者代表を選ぶ手続きから始めなければなりません。この過程も50日の中に入ります。これを見落とすと、協議期間がその分だけ短くなります。
雇用労働部への申告義務が生じる人数
施行令第10条第1項は、1か月の間に次の人数を解雇しようとする場合、最初に解雇しようとする日の30日前までに申告するよう定めています。
| 常時労働者数 | 申告対象となる解雇人数 |
|---|---|
| 99人以下 | 10人以上 |
| 100人以上999人以下 | 常時労働者数の10パーセント以上 |
| 1,000人以上 | 100人以上 |
基準は1か月間の累計です。一度に10人を解雇せず分けて進めても、同じ月の合計が基準に達すれば申告の対象です。
申告には、第2項により四つの事項を含めなければなりません。
- 解雇の理由
- 解雇予定人数
- 労働者代表と協議した内容
- 解雇の日程
三つ目の項目が実質的な歯止めです。形だけの協議をした会社は、申告書のこの欄を埋められません。
50日と30日を一つの時間軸に並べると
- D-50:労働者代表への通知と協議の開始。過半数労組がなければ、代表の選出が先です。
- D-50~D-31:解雇回避の努力と選定基準の協議
- D-30:規模の基準に当たれば雇用労働部長官へ申告
- D-30:個々の労働者への解雇予告(第26条)
- 解雇日:解雇の理由と時期を書面で通知(第27条)
第26条は、解雇の30日前の予告、または30日分以上の通常賃金(통상임금)の支払いを求め、経営上の理由による解雇も含むと明記しています。例外は三つです。
- 継続して勤務した期間が3か月未満の場合
- 天災・事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能な場合
- 労働者が故意に事業に甚大な支障をもたらし、または財産上の損害を与えた場合で、雇用労働部令(고용노동부령)で定める事由に当たる場合
第27条はさらに厳格です。解雇の理由と時期を書面で通知しなければならず、第2項は書面で通知して初めて効力があると規定しています。口頭での通告は、それ自体では効力がありません。ただし第3項により、第26条の解雇予告を、解雇の理由と時期を明記して書面で行った場合は、第1項の通知をしたものとみなされます。予告の書面1枚で二つの条文を同時に満たせます。
50日を逆算してみる
10月末に解雇を実行したい会社を想定します。第24条第3項の50日を逆算すると、9月初めには労働者代表への通知が出ていなければなりません。
過半数労組がなければ、その前に労働者代表を選ぶ必要があるため、実際の着手は8月中旬です。選出の公告、立候補、投票、結果の公告に2週間ほどかかります。これを省いて、既存の労使協議会(노사협의회)の労働者委員を労働者代表とみなして協議を進めると、協議相手の適格性そのものが争われます。
申告義務がある規模なら、9月末には申告書を出さなければならず、その様式には労働者代表と協議した内容を書く必要があります。9月初めの通知後に実質的な協議が一度もなかったなら、この欄は埋められません。50日は通知後に待つ期間ではなく、協議を進める期間です。
要件を満たさないまま進めると、不当解雇の争いに移ります。退職に関わる別のテーマとして、勧告辞職の離職確認書もご覧ください。
チェックリスト
- 常時労働者数を算定し、申告対象となる人数の基準を確定します。
- 1か月単位の累計で計算します。分けて進めても基準は回避できません。
- 過半数労組の有無を確認し、なければ労働者代表の選出手続きを先に進めます。
- 労働者代表の選出過程を記録に残します。
- 解雇回避の努力の内容を文書で積み上げます。
- 選定基準を数値化し、性別に中立か点検します。
- 協議の回ごとに日時・出席者・議論の内容を議事録に残します。
- 申告書の協議内容欄に書ける実体をつくります。
- 解雇予告と書面通知を1枚にまとめるか、分けるかを決めます。
- 書面に解雇の理由と時期を両方書きます。
- 勤続3か月未満の人が予告の対象外になるか、個別に確認します。
- 解雇後の紛争に備え、通知を受け取った事実を残します。
よく目にする韓国語の用語
| 用語 | ローマ字表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 경영상 이유에 의한 해고 | gyeongyeongsang iyue uihan haego | 経営上の理由による解雇(整理解雇)。勤労基準法第24条が要件を定めています。 |
| 근로기준법 | geullo gijunbeop | 勤労基準法。労働条件と解雇のルールを定めた韓国の基本法です。 |
| 근로자대표 | geulloja daepyo | 労働者代表。労働者の過半数で組織された労働組合、なければ労働者の過半数を代表する者です。 |
| 고용노동부장관 | goyong nodongbu janggwan | 雇用労働部長官。一定規模以上の整理解雇は、最初の解雇日の30日前までにここへ申告します。 |
| 상시 근로자수 | sangsi geulloja su | 常時労働者数。普段雇用している労働者の数で、申告の基準人数を決めます。 |
| 해고 예고 | haego yego | 解雇予告。30日前までの予告、またはその代わりに30日分以上の通常賃金の支払い(第26条)。 |
| 통상임금 | tongsang imgeum | 通常賃金。解雇予告の代わりに支払う金額の基準となる賃金です。 |
| 노사협의회 | nosa hyeobuihoe | 労使協議会。その労働者委員を労働者代表とみなすと、協議相手の適格性が争われることがあります。 |
根拠
- 勤労基準法第24条第1項~第3項・第5項(근로기준법 제24조 제1항~제3항·제5항)
- 勤労基準法第23条第1項(근로기준법 제23조 제1항)
- 勤労基準法第26条(근로기준법 제26조)
- 勤労基準法第27条第1項~第3項(근로기준법 제27조 제1항~제3항)
- 勤労基準法施行令第10条第1項・第2項(근로기준법 시행령 제10조 제1항·제2항)
このガイドは2026年10月19日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。

