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韓国で賃金が変わったら、契約書全体ではなく変更後の条件を書面で交付します

韓国では労働契約書を毎年作り直す必要はありませんが、賃金や労働時間などが変わったら、変更後の条件を書面で明示し、労働者に交付しなければなりません。

PAPATONY人事・労務2026年10月23日更新約5分で読めます

ひと目でわかるポイント

毎年の作り直し
中核的な条件が変わらなければ不要
合意による賃金変更
変更後の賃金条件を書面にして交付
求めがあるときだけ交付
就業規則・労働協約・法令による変更
電子文書
2021年1月5日から書面交付に含まれる
第17条違反
5,000,000ウォン以下の罰金
不利な変更
労働者の同意が必要

賃金が変わる事業主・人事担当者と労働者のためのガイドです。原則として、労働契約書を毎年作り直す必要はありません。ただし賃金やその他の中核的な労働条件が変わったときは、変更内容を明示し、中核的な項目は書面で労働者に交付しなければなりません(勤労基準法(근로기준법)第17条)。常時4人以下の事業場を含め、すべての使用者に適用されます。

第17条が求めること

使用者は労働契約を結ぶとき、次の労働条件を明示しなければならず、条件が変わるときも改めて明示しなければなりません。

  1. 賃金
  2. 所定労働時間(소정근로시간)
  3. 第55条による休日(週休日など)
  4. 第60条による年次有給休暇
  5. 施行令第8条が定めるその他の労働条件:就業場所と業務、第93条第1号~第12号の事項(始業・終業時刻、休憩、賃金の計算方法など)、附属寄宿舎に住む場合の寄宿舎規則

賃金については、構成項目、計算方法、支払方法を記載した書面を交付しなければなりません。同じ書面に所定労働時間、休日、年次有給休暇も記載しなければなりません(第17条第2項)。2021年1月5日から、この書面には電子文書も含まれると法律に明記されています。

したがって、何も変わらなければ既存の契約はそのまま有効で、毎年署名し直す必要はありません。個別の合意で年俸が変わる場合は、変更後の賃金条件を書面にして労働者に交付しなければなりません。

賃金の変更を記録する二つの方法

  • 年俸契約書(연봉계약서)を別に作る。 変更後の年俸または月給、適用期間、賃金の構成項目、支払方法を記載します。その他の条件は既存の労働契約書と会社の規程に従うと書き添えます。
  • 賃金条項だけを改定する。 既存の契約書の賃金条項だけを変えます。新しい金額と適用開始日を記載し、その他の条件は変わらないと明記します。作成日は、実際に変更に合意した日にします。

どちらの方法でも双方が署名し、労働者が写しを保管します。

新しい書面が必要な変更

変更例労働者への書面交付
賃金額年俸の引き上げ必要
賃金の構成項目基本給2,000,000ウォンが、基本給1,800,000ウォンと食事手当200,000ウォンに変わる総額が同じでも必要
所定労働時間週5日勤務が週6日勤務に変わる必要
週休日日曜日の休みが平日の休みに変わる必要
年次休暇の条件法定基準を上回っていた年次休暇を減らす必要。労働者の同意も必要
始業・終業時刻9:00~18:00が10:00~19:00に変わる明示義務あり。証明のため書面に残すのが安全

延長・夜間・休日労働の割増賃金は、基本給ではなく通常賃金(통상임금)を基準に計算します(第56条)。通常賃金とは、所定労働または総労働に対して定期的かつ一律に支給すると定めた賃金です(施行令第6条)。賃金の構成を変える前に、割増賃金の計算がどう変わるかを確認してください。

労働条件を不利に変更するには、労働者の同意が必要です。就業規則(취업규칙)で変更する場合は、労働者の過半数で組織された労働組合、そのような組合がなければ労働者の過半数の同意が必要です(第94条)。

労働者が求めたときだけ交付すればよい場合

第17条第2項ただし書と施行令第8条の2により、次の理由で労働条件が変わった場合は、労働者が求めたときだけ新しい書面を交付すれば足ります。

  • 弾力的・選択的労働時間制など、法律に列挙された労働時間の規定に基づく労働者代表との書面合意
  • 就業規則(第93条)
  • 労働協約(労働組合及び労働関係調整法(노동조합 및 노동관계조정법)第31条)
  • 法令(例:最低賃金の引き上げ)

例えば最低賃金は、2026年は時給10,320ウォン、2027年1月1日からは時給10,700ウォンです。賃金はこの水準以上に引き上げなければなりませんが、新しい書面は労働者が求めた場合にだけ必要です。2027年の最低賃金10,700ウォン:2026年12月31日までに労働者へ周知も参考にしてください。

就業規則は最低基準です。就業規則の基準に達しない労働契約の部分は無効となり、その部分は就業規則の基準によります(第97条)。新しい書面が要らない場合でも、変わった規則は従業員に知らせてください。

電子労働契約書

電子文書は、電子的な形態であることだけを理由に法的効力を否定されません(電子文書及び電子取引基本法(전자문서 및 전자거래 기본법)第4条)。内容を閲覧でき、作成・送信・受信・保存されたときの形態か、それを再現できる形態で保存されていれば、書面とみなされます(第4条の2)。電子署名も、電子的な形態であることだけを理由に署名や記名押印としての効力を否定されず、当事者が電子署名を選んだ場合はその効力を持ちます(電子署名法(전자서명법)第3条)。雇用労働部(고용노동부)の2016年の電子労働契約ガイドラインは、署名済みの電子契約書を読み取り専用ファイルで保存するよう勧めていました。労働者がいつでも開いて保管できるようにしてください。

罰則

  • 第17条に違反すると、5,000,000ウォン以下の罰金に処されます(第114条)。有期・短時間労働者にも同じく適用されます。
  • 有期・短時間労働者については、期間制法(기간제법)も六つの事項の書面明示を求めています。労働契約期間、労働時間・休憩、賃金の構成項目・計算方法・支払方法、休日・休暇、就業場所と業務、短時間労働者の労働日と労働日ごとの労働時間です(第17条)。違反すると5,000,000ウォン以下の過料が科されます(第24条)。
  • 事業主の代理人、使用人その他の従業員が違反した場合、行為者に加えて事業主にも罰金が科されます。事業主が違反を防ぐために相当の注意と監督を怠らなかった場合は例外です(勤労基準法第115条)。

チェックリスト

  • 変更が賃金、賃金の構成、所定労働時間、休日、年次休暇に当たるか確認します。
  • 当たる場合は、変更後の条件を書面にして労働者に交付します。
  • 年俸契約書か部分改定の形で作成し、元の契約書は保管します。
  • 労働条件を不利に変えるときは、労働者の同意を得ます。
  • 就業規則・労働協約・法令による変更は、求めがあれば書面を交付します。
  • 署名済みの電子ファイルは、双方が開けて誰も改変できない形で保管します。

よく目にする韓国語の用語

用語ローマ字表記意味
근로계약서geullo gyeyakseo労働条件を定めた労働契約書
연봉계약서yeonbong gyeyakseo賃金条件だけを別に定める年俸契約書
근로조건 명시geullo jogeon myeongsi使用者が労働条件を明示する義務(第17条)
소정근로시간sojeong geullo sigan法定の範囲内で当事者が定めた所定労働時間
통상임금tongsang imgeum割増賃金の計算基準となる通常賃金
취업규칙chwieop gyuchik事業場の全労働者に適用される就業規則
단체협약danche hyeobyak労働組合と使用者が結ぶ労働協約
전자문서jeonja munseo要件を満たせば書面とみなされる電子文書
기간제근로자giganje geulloja期間を定めて雇用される有期労働者

根拠

  • 勤労基準法第17条・第55条・第56条・第60条・第93条・第94条・第97条・第114条・第115条(근로기준법) — https://www.law.go.kr/법령/근로기준법
  • 勤労基準法施行令第6条・第8条・第8条の2(근로기준법 시행령) — https://www.law.go.kr/법령/근로기준법%20시행령
  • 期間制及び短時間勤労者保護等に関する法律第17条・第24条(기간제 및 단시간근로자 보호 등에 관한 법률) — https://www.law.go.kr/법령/기간제%20및%20단시간근로자%20보호%20등에%20관한%20법률
  • 電子文書及び電子取引基本法第4条・第4条の2(전자문서 및 전자거래 기본법) — https://www.law.go.kr/법령/전자문서%20및%20전자거래%20기본법
  • 電子署名法第3条(전자서명법 제3조) — https://www.law.go.kr/법령/전자서명법
  • 雇用労働部告示第2026-60号(2027年最低賃金)と2026年の最低賃金(고용노동부 고시) — https://www.minimumwage.go.kr/customer/notice/view.do?bultnId=4774
  • ソウル新聞2016年9月1日、雇用労働部の電子労働契約ガイドラインに関する報道(서울신문) — https://m.go.seoul.co.kr/news/2016/09/01/20160901027048

このガイドは2026年10月23日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。