ガイド一覧へ

韓国のハイブリッド勤務は、チームの出社日を定めて毎年見直します

韓国の人事担当者と管理職向けに、ネイバーのハイブリッド勤務制度の2022~2027年の変化、出社に関する研究、制度設計のポイントをまとめました。

PAPATONY人事・労務2026年10月23日更新約4分で読めます

ひと目でわかるポイント

ネイバーの制度(2022年7月から)
タイプO(オフィス基盤)かタイプR(リモート基盤)を選択
2026年のルール
チームのコワークデーは月4日、出社日は6時間で認定
選択と見直し
6か月ごとにタイプ変更、毎年制度を点検
2027年の計画(2026年7月報道)
週3日以上の出社が基本、タイプRは例外
ビデオ会議の研究
対面より創造的なアイデアが少ない(ネイチャー、2022年)

この記事は、韓国の会社でハイブリッド勤務のルールを作る、またはそれに従う人事担当者、管理職、チームリーダーのための案内です。韓国の主要IT企業の多くは、2023年ごろから社員を再びオフィスに戻しました。最も注目された例外であるネイバーの「コネクテッドワーク」は、リモート勤務の選択肢を残しつつ、段階的に条件を厳しくしてきました。その変化からは一つの流れが見えます。選択の余地は残し、チーム単位の最低出社日を定め、毎年ルールを見直すことです。

オフィスに戻る韓国企業

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行期に、多くの韓国企業が在宅勤務(재택근무)を導入しました。その多くは2023年前後にオフィス勤務へ戻りました。ニュース1(2026年7月8日)によると、カカオは2023年にリモート勤務を終え、「オフィスファースト」の勤務制度を正式に打ち出しました。ネクソン、NC、ネットマーブルなど大手ゲーム会社も同じ時期に在宅勤務を廃止しました。2025年まで組織長の裁量で一部在宅勤務を認めていたクラフトンも、これを廃止しています。世界日報(2026年7月16日)は、現代オートエバーが在宅勤務中の不誠実な勤務の事例を多数見つけた後、2025年に在宅勤務を全面廃止したと報じました。

完全リモート勤務については、チームワークの弱まり、組織文化の希薄化、新入社員の適応の難しさといった懸念がよく挙げられます。

数字で見るネイバーのコネクテッドワーク

ネイバーは2022年7月にコネクテッドワークを導入しました。社員は二つのタイプから一つを選び、6か月ごとに変更できます。

項目ルール
タイプO(オフィス基盤)月平均で週3日以上のオフィス勤務
タイプR(リモート基盤)リモート勤務が基本で、決められた対面勤務日がある
タイプRの対面勤務日月1回以上を推奨(2022年)、月2回を必須(2023年)、月4回以上(2026年)
2026年1月からのチームのコワークデー月2日から4日に増加(週1回を推奨)
オフィス勤務日と認められる時間4時間から6時間に延長(休憩時間を除く)
見直し毎年ルールを点検、2026年の勤務タイプは2025年11月に選択

ネイバーは2025年7月30日に2026年のルールを告知し、より密接で積極的な協業の文化が必要だと説明しました。世界日報は、二つのタイプの選択比率がおよそ50:50で推移してきたと報じました。

ネイバーの2027年の計画

2026年7月、韓国メディアは2027年からさらに変わると報じました。ニュース1(2026年7月8日)によると、タイプOが基本の勤務形態となり、週3日以上の出社が必要になります。タイプRは、所属部門長の検討と責任リーダーの承認を受けた場合に限り、例外として認められる予定です。世界日報(2026年7月16日)は、タイプRを選ぶ社員は、協業の方法、期待される役割、業務の特性について組織長と事前に話し合う必要があると報じました。ネイバーは2026年下半期に社内の意見を聞き、ルールが確定したら社員に知らせるとしています。基準として使う前に、確定版を確認してください。

出社に関する研究

定期的な対面勤務日を設ける根拠として、よく知られた研究が二つあります。

  • 2022年4月27日に学術誌『ネイチャー(Nature)』に掲載された研究は、実験室での研究と5か国でのフィールド実験により、ビデオ会議は対面に比べて創造的なアイデアの数を減らすと示しました。どのアイデアを選ぶかという点では、ビデオ会議のグループが劣ることはありませんでした。研究者は、画面を見ることで注意の範囲が狭まることを原因に挙げています。
  • 『ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア(Nature Human Behaviour)』に掲載された研究は、2020年上半期の6か月間、米国のマイクロソフト社員61,182人を分析しました。全社的なリモート勤務により協業のネットワークが固定化・サイロ化し、異なる部門をつなぐ結びつきが減りました。同期型のコミュニケーションは減り、非同期型は増えました。

どちらの研究も、毎日の出社が最善だとは言っていません。人が会う機会がほとんどないと、アイデアの創出や部門間のつながりが弱まるという、より限定的な結論を支えるものです。

選択権を実際に機能させる

勤務タイプの選択権は、実際に使えるときにだけ意味があります。チームリーダーや組織からの圧力が、選択を事実上狭めることがあります。人事部門は、社員がどのタイプを選んでいるかを確認し、社員アンケートで圧力の有無を尋ねるなどして、現場で制度がどう運用されているかを確かめるべきです。ネイバーが個人の選択と最低出社要件を組み合わせたのは、個人の自由と組織の結束のバランスを取ろうとする試みです。

決まった見直しのサイクルも役立ちます。1年単位で制度を運用し、翌年の勤務タイプを事前に選んでもらえば、会社はオフィスのスペースやチームのプロジェクトを計画できます。

人事チームへの教訓

  1. 業務の性質が許す範囲で、全員に同じルールを当てはめるより選択肢を用意しましょう。
  2. チームが一緒に働く最低日数を決め、オフィスでの勤務時間は立ち寄る程度ではなく、実際に仕事ができる長さにしましょう。
  3. 毎年制度を見直し、データと社員の意見を反映して改善しましょう。
  4. 出社ルールを厳しくする前に理由を説明しましょう。反発を想定し、質問に答える時間を設けましょう。
  5. 正解のモデルは一つではありません。業種、文化、人員構成が異なるため、他社から学びつつも自社に合った制度を設計しましょう。

よく目にする韓国語の用語

用語ローマ字表記意味
재택근무jaetaek geunmu在宅勤務。自宅で働く勤務形態。
원격근무wongyeok geunmuリモート勤務。オフィス以外の場所で働くこと。
유연근무제yuyeon geunmuje柔軟な勤務制度。勤務時間や場所を柔軟に決める仕組み。
대면근무daemyeon geunmu対面勤務。同僚とオフィスで顔を合わせて働くこと。
출근chulgeun出社・出勤。職場に行って働くこと。
근무 형태geunmu hyeongtae勤務形態。オフィス基盤、リモート基盤などの働き方の種類。
조직장jojikjang組織長。チームや組織単位の長。
코워크데이kowokeudeiチーム全員がオフィスで一緒に働く日を指すネイバーの用語。

根拠

  • ノーカットニュース、ネイバー「コネクテッドワーク」導入の報道(노컷뉴스)、2022年5月25日:https://nocutnews.co.kr/news/5761329
  • アイニュース24、ネイバーの自律勤務制2026年も実施・月4日の出社必須(아이뉴스24)、2025年7月30日:https://www.inews24.com/view/1871269
  • ニュース1・ファイナンシャルニュース、ネイバー2027年から週3回以上の出社義務(뉴스1·파이낸셜뉴스)、2026年7月8日:https://www.fnnews.com/news/202607081638095868
  • 世界日報、ネイバーが在宅勤務のハードルを引き上げ(세계일보)、2026年7月16日:https://www.segye.com/newsView/20260716518583
  • Brucks, M.S.・Levav, J.「Virtual communication curbs creative idea generation」『Nature』605, 108-112(2022年):https://www.nature.com/articles/s41586-022-04643-y
  • Yang, L.ほか「The effects of remote work on collaboration among information workers」『Nature Human Behaviour』6, 43-54(2022年):https://www.nature.com/articles/s41562-021-01196-4

このガイドは2026年10月23日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。