支払命令に異議が出たら、印紙の差額を期間内に納めないと申立ては却下されます
支払命令に債務者が異議を申し立てると、裁判所から印紙の補正命令が届きます。差額を期間内に納めなければ、支払命令の申立書は却下されます。
ひと目でわかるポイント
- 異議申立ての期間
- 支払命令の送達日から2週間(不変期間)
- 補正する金額
- 訴状の印紙額から支払命令時の印紙(10分の1)を引いた額
- 補正の期限
- 補正命令書に書かれた日付
- 期間内に補正しない場合
- 支払命令申立書の却下(即時抗告可)
- 少額事件
- 訴訟の目的の価額3,000万ウォン以下
- 合議部
- 5億ウォン超の請求(原則)
支払命令(지급명령)は、督促手続(독촉절차)によって金銭債権の支払いを命じる裁判所の命令です。このガイドは、支払命令を申し立てた後に債務者から異議申立て(이의신청)を受けた債権者(外国企業・個人を含む)向けです。債務者が送達から2週間以内に異議を申し立てた場合、債権者がすべきことは新しい訴状を書くことではありません。裁判所が送ってくる印紙の補正命令(인지 보정명령)に従って差額を納めることです。この段階を逃すと、支払命令の申立書そのものが却下(각하)されます。
異議申立てで何が変わるか
債務者が支払命令の送達を受けた日から2週間以内に異議を申し立てると、支払命令はその範囲で効力を失います(民事訴訟法(민사소송법)第470条第1項)。第472条第2項によれば、適法な異議申立てがあると、支払命令を申し立てた時に、異議が申し立てられた請求の目的の価額について訴えが提起されたものとみなされます。訴え提起の時点は、異議申立ての日ではなく支払命令の申立日にさかのぼります。
- 異議申立ての期間は、支払命令の送達日から2週間です(第470条第1項)。
- この2週間は不変期間(불변기간)です(第470条第2項)。
- 債務者が責めを負わない事由で期間を過ぎた場合は、その事由がなくなった日から2週間以内に追完(추후보완)ができます(第173条第1項)。
- 異議が不適法なら、裁判所は決定で却下し、その決定には即時抗告(즉시항고)ができます(第471条)。
- 異議がない場合、異議が取り下げられた場合、または却下決定が確定した場合、支払命令は確定判決と同じ効力を持ちます(第474条)。
一部だけを争う異議もあります。条文は「その範囲で」効力を失うと定め、訴訟に移る価額も「異議が申し立てられた請求の目的の価額」に限っています。そのため異議申立書を受け取ったら、まずどの金額を争っているかを確認します。
裁判所はまず印紙の補正命令を送ります
第473条第1項により、支払命令を出した裁判所は、債権者に相当の期間を定めて印紙の補正を命じなければなりません。補正する金額は、訴状であれば貼るべきだった印紙額から、支払命令の申立て時に貼った印紙額を差し引いた額です。民事訴訟等印紙法(민사소송 등 인지법)第7条第3項も、同じ内容を債権者の義務として定めています。
支払命令申立書の印紙は、訴状の印紙額の10分の1です(同法第7条第2項)。異議が出れば、残りの10分の9を納めることになります。訴状の印紙額は同法第2条第1項の4つの区分で計算します。下の表は請求額ごとの例です。
| 請求額(例) | 訴状の印紙額 | 支払命令時に納めた印紙 | 補正する差額 | 移る裁判体 |
|---|---|---|---|---|
| 500万ウォン | 25,000ウォン | 2,500ウォン | 22,500ウォン | 少額事件 |
| 2,000万ウォン | 95,000ウォン | 9,500ウォン | 85,500ウォン | 少額事件 |
| 5,000万ウォン | 230,000ウォン | 23,000ウォン | 207,000ウォン | 単独裁判官 |
| 2億ウォン | 855,000ウォン | 85,500ウォン | 769,500ウォン | 単独裁判官 |
| 6億ウォン | 2,455,000ウォン | 245,500ウォン | 2,209,500ウォン | 合議部(原則) |
表の金額は、請求全部に異議が出た場合の計算例です。10億ウォン未満の請求に使う3つの区分は次のとおりです。
- 1,000万ウォン未満:価額の1万分の50
- 1,000万ウォン以上1億ウォン未満:価額の1万分の45に5,000ウォンを加えた額
- 1億ウォン以上10億ウォン未満:価額の1万分の40に55,000ウォンを加えた額
計算額が1,000ウォン未満なら1,000ウォンとし、1,000ウォン以上なら100ウォン未満は切り捨てます(同法第2条第2項)。少額事件(소액사건)は、訴訟の目的の価額が3,000万ウォン以下の事件です(少額事件審判規則(소액사건심판규칙)第1条の2)。その間の金額は、表のとおり単独裁判官(단독판사)が担当します。5億ウォンを超えると、原則として合議部(합의부)が第1審を担当します。ただし、小切手金・約束手形金の請求や金融機関の貸金請求などの例外があります(民事及び家事訴訟の事物管轄に関する規則(민사 및 가사소송의 사물관할에 관한 규칙)第2条)。
期間内に補正しなかったら
第473条第2項は短い条文です。債権者が期間内に印紙を補正しなければ、裁判所は決定で支払命令申立書を却下しなければなりません。その決定には即時抗告ができます。却下されると、申立日にさかのぼっていた訴え提起の効果にも頼れなくなります。補正がされると、法院事務官(법원사무관)等が訴訟記録を直ちに管轄裁判所に送ります(同条第3項)。すでにかかった督促手続の費用は、訴訟費用の一部になります(同条第4項)。
期間と金額は補正命令書に従います
法律は補正期間を「相当の期間」としか定めていません。実際の期限は、補正命令書に書かれた日付とします。補正命令書の金額が上の区分の計算式で出した額と異なる場合は、担当の裁判部に算定の根拠を確認します。
あわせて読む:仮差押え後の担保提供と提訴命令、印鑑のない契約の効力と証明。
チェックリスト
- 異議申立書の写しを受け取り、受付日を確認します。
- 送達日と比べ、2週間以内に出された異議かどうかを確認します。
- 期間を過ぎた異議なら、不適法として却下されるかどうかを見守ります。
- 全部に対する異議か一部に対する異議かを、金額単位で見分けます。
- 争われていない金額が確定したかどうかを別途確認します。
- 印紙補正命令書の補正期間をカレンダーに書き込みます。
- 補正命令書に書かれた金額を、上の区分の計算式で計算し直します。
- 支払命令の申立て時に納めた印紙額を領収書類で確認します。
- 期間内に差額を納め、補正書を提出します。
- 送達料(송달료)の追加納付の要求が一緒に来ていないか確認します。
- 事件が少額・単独・合議部のどこに移るかを確認します。
- 新しい事件番号を受け取り、以後の書面に記載します。
- 異議申立書に書かれた債務者の主張を争点ごとに整理します。
- 契約書・税金計算書・入金記録などの立証資料を改めて集めます。
- 支払命令申立書の請求原因が立証資料と合っているか照合します。
- 仮差押え(가압류)をしている場合は、本案の事件番号を仮差押え側の記録と結び付けます。
- 補正期間を過ぎそうな事情が生じたら、期間内に裁判所へ延長を求めるかどうか判断します。
- 却下決定を受けた場合は、まず即時抗告の期間を確認します。
よく目にする韓国語の用語
| 用語 | ローマ字表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 지급명령 | jigeup myeongnyeong | 督促手続によって金銭債権の支払いを命じる裁判所の命令です。 |
| 이의신청 | iui sincheong | 支払命令に対する不服申立てです。債務者は送達日から2週間以内に行います。 |
| 인지 | inji | 訴状や支払命令申立書などの書類に貼る裁判所の手数料です。 |
| 보정명령 | bojeong myeongnyeong | 書類の不備を一定期間内に直すよう命じる裁判所の命令です。ここでは印紙の差額の納付を命じるものです。 |
| 각하 | gakha | 要件を欠くとして、申立てや訴えを内容の判断なしに退けることです。 |
| 즉시항고 | jeuksi hanggo | 裁判所の決定に対する不服申立ての方法です。 |
| 불변기간 | bulbyeon gigan | 裁判所が伸ばしたり縮めたりできない期間です。2週間の異議申立期間がこれに当たります。 |
| 추후보완 | chuhu bowan | 責めを負わない事由で期間を過ぎた場合に、その事由がなくなった日から2週間以内に後から行う訴訟行為です。 |
| 소액사건 | soaek sageon | 訴訟の目的の価額が3,000万ウォン以下の事件です。 |
| 합의부 | habuibu | 複数の裁判官で審理する裁判体です。5億ウォンを超える請求は原則として合議部が第1審を担当します。 |
根拠
- 民事訴訟法第173条第1項、第470条第1項・第2項、第471条、第472条第2項、第473条第1項~第4項、第474条(민사소송법 제173조 제1항, 제470조 제1항·제2항, 제471조, 제472조 제2항, 제473조 제1항~제4항, 제474조)
- 民事訴訟等印紙法第2条第1項・第2項、第7条第2項・第3項(민사소송 등 인지법 제2조 제1항·제2항, 제7조 제2항·제3항)
- 少額事件審判規則第1条の2(소액사건심판규칙 제1조의2)
- 民事及び家事訴訟の事物管轄に関する規則第2条(민사 및 가사소송의 사물관할에 관한 규칙 제2조)
このガイドは2026年10月19日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。

