韓国支社のヘッドハンター導入:調達手続きと個人情報の規定
グローバル企業の韓国支社の人事担当者向けに、本社のベンダー導入手続き、事前準備、個人情報とヘッドハンティングに関する韓国の規定をまとめました。
ひと目でわかるポイント
- 早めの計画
- 複数のチームが関わり、数週間かかることがある
- EUのデータ契約
- GDPR第28条:処理者との書面契約
- 韓国の個人情報委託
- 個人情報保護法第26条:委託文書とウェブサイトでの公開
- 委託文書がない場合の過料
- 10,000,000ウォン以下(第75条第4項)
- ヘッドハンティング会社の登録
- 有料職業紹介事業は市長・郡守・区庁長などに登録
このガイドは、グローバル企業の韓国支社で、本社の調達手続きを通じてヘッドハンティング会社などの外部業者を導入する必要がある人事担当者のための案内です。グローバル調達の規定が厳しいのには理由があります。リスク管理、コンプライアンス、個人情報保護、財務の透明性です。現地の人事担当者の役割は、必要な情報を早めに提供することです。個人情報とヘッドハンティング会社に関する韓国の法規定は、2026年10月時点で説明します。
グローバル企業の一般的なベンダー・オンボーディング
ベンダー・オンボーディングは、通常次の段階を経ます。
- 新規ベンダー登録フォームと業者の企業書類の提出
- 個人情報の審査とデータ処理契約(DPA)の締結
- 法務チームによる契約書の審査
- 財務チームによるベンダー承認
- 調達チームによる発注書の発行と予算の最終承認
チームごとに役割があります。調達チームは手続きを管理し、条件を交渉します。法務チームは契約書を審査し、リスクを評価します。財務チームは予算と支払条件を確認します。個人情報保護チームは個人情報の扱い方を審査します。チームごとに要件と日程が異なり、本社と支社の時差、言語、文化の違いが遅れをさらに大きくします。
現地の人事担当者がつまずく点
- 情報の格差:採用ニーズは明確でも、調達・財務チームが求める承認済み予算や決裁ルートなどの詳細を、現地担当者が持っていないことがよくあります。
- 優先順位の違い:人事チームは迅速な採用を、調達チームは徹底した検証を、法務チームは完全な契約書を求めます。
- 案内の不足:新規ベンダー登録には数週間かかることがありますが、現地の社員はその手続きの説明や研修を受けていないことが多いです。
- 繁忙期:四半期末や年末には、財務・法務・経営陣の承認待ちがすでに詰まっており、それを前もって知らされないこともあります。
ベンダーを依頼する前に準備すること
- 予算責任者から、承認済みの採用予算と想定年収の範囲を受け取ります。
- 職務記述書と採用依頼番号を用意します。
- どの予算で処理するかを決めます。人事チームの予算か事業部の予算かによって異なり、事業部の予算には通常、事業部責任者の事前承認と予算確保の確認が必要です。
- 既存ベンダーの成果が振るわない場合は、新しいベンダーを依頼する前に数値で記録します。推薦候補者数、面接通過率、採用の成立件数、平均採用期間です。
- ポジション、想定費用、予算の出所、サービス期間、担当部署を記載した依頼テンプレートを用意します。
- オンボーディング期間を採用計画に組み込み、可能であれば四半期末と年末を避けます。
個人情報:DPAと韓国の業務委託規定
採用ベンダーは候補者の個人情報を扱うため、本社は通常DPAを求めます。EU一般データ保護規則(GDPR)第28条第3項によれば、処理者による処理は契約その他の法的行為によって規律されなければならず、その契約には処理の対象と期間、性質と目的、個人データの種類、データ主体の類型、管理者の義務と権利を定める必要があります。第28条第9項は、この契約を電子的形式を含む書面で行うよう定めています。
韓国にも独自の規定があります。会社が個人情報の処理業務を他者に任せる場合、たとえばベンダーに応募者の選別を代行させる場合には、個人情報保護法(개인정보 보호법)第26条が適用されます。
| 義務 | 内容 | 違反時の制裁 |
|---|---|---|
| 書面による委託(第26条第1項) | 委託目的外の処理の禁止、技術的・管理的保護措置、委託業務の目的と範囲、再委託の制限、アクセス制限などの安全措置、監督、損害賠償責任を定めた文書 | 10,000,000ウォン以下の過料 |
| 公開(第26条第2項) | 委託する業務の内容と受託者を自社のウェブサイトに継続して掲載し、掲載できない場合は施行令が定める別の方法で公開 | 10,000,000ウォン以下の過料 |
| 教育・監督(第26条第4項) | 受託者を教育し、個人情報を安全に処理しているか監督 | 管理・監督や教育を怠り受託者が法律に違反した場合、全体売上高の3%以下の課徴金(第64条の2) |
| 再委託(第26条第6項) | 受託者が業務をさらに任せるには委託者の同意が必要 | 受託者に20,000,000ウォン以下の過料 |
現地のベンダーは、グローバル企業がなぜこうした書類にこだわるのか理解していないことがあります。理由を説明し、自社の標準DPAテンプレートを提供してください。
準拠法も障害になり得ます。オランダ法のように外国法を準拠法とする契約書を、現地のベンダーが受け入れにくい場合があります。法務チームと一緒に現実的な妥協案を探してください。たとえば、一般には主契約が優先し、個人情報の処理についてはDPAが優先すると定める方法があります。この過程では、現地の人事担当者の仲介役が重要です。
予算:成功報酬と韓国のヘッドハンティング規定
成功報酬型では、前払金なしで、採用が成立したときにだけ、採用された人の年収の一定割合を手数料として支払います。予算超過のリスクは低いものの、費用の見積もりは必要です。想定年収に手数料率を掛けて最大支出額を出し、その金額を事前に承認してもらってください。
韓国では、手数料を受け取って求職者を探し、紹介することは、職業安定法(직업안정법)上の有料職業紹介事業(유료직업소개사업)に当たります。国内の有料職業紹介事業を行うには、主たる事業所の所在地を管轄する市長・郡守・区庁長(시장·군수·구청장)などに登録しなければなりません(第19条第1項)。雇用労働部(고용노동부)長官が定めた料金以外の金品は受け取れません。ただし、施行規則が定める高度・専門人材を紹介する場合は、当事者間で定めた料金を求人者から受け取ることができます(第19条第3項)。オンボーディングの際に登録証を受け取っておいてください。
本社とうまく働く方法
- 問題が起きたら解決に集中します。見落とした点を認め、正す方法と再発防止策を合わせて示します。
- 支援は具体的に依頼します。漠然とした依頼ではなく、必要な情報や決定を明示します。
- 関連するメールと書類を日付順に整理し、チームごとの担当者と役割の一覧を維持します。
- 段階ごとに担当者と想定期間を決めたマイルストーンを置き、遅れが出たらすぐ対応します。
- オンボーディングを終えるたびに、チェックリスト、必要書類、連絡先、所要期間をまとめた短いマニュアルを作り、手続きが変わったら更新します。
- リスクを分散するために複数のベンダーを使う方法もあります。ただし、ベンダーごとに同じオンボーディングが必要です。
チェックリスト
- 予算、年収の範囲、職務記述書、採用依頼番号を確認した。
- 予算の責任部署(人事チームまたは事業部)と決裁ルートを把握している。
- ベンダーの企業書類と有料職業紹介事業の登録証を受け取った。
- DPAを締結し、韓国の委託文書に第26条の項目が入っている。
- 委託業務と受託者を自社のウェブサイトに掲載した。
- 四半期末・年末の承認繁忙期を考慮して日程を立てた。
よく目にする韓国語の用語
| 用語 | ローマ字表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 벤더 온보딩 | bendeo onboding | 新しい取引先を社内で登録・承認する手続きです。 |
| 업무위탁 | eommu witak | 個人情報の処理などの業務を他者に任せることです。 |
| 수탁자 | sutakja | 会社に代わって個人情報を処理する者です。 |
| 재위탁 | jaewitak | 受託者が業務をさらに他者に任せることで、委託者の同意が必要です。 |
| 유료직업소개사업 | yuryo jigeop sogae saeop | 手数料を受け取って職業を紹介する事業で、自治体への登録が必要です。 |
| 구매주문서 | gumae jumunseo | 業務開始前に調達チームが発行する発注書です。 |
| 성공보수 | seonggong bosu | 採用が成立したときにだけ年収の一定割合で支払う手数料です。 |
| 준거법 | jungeobeop | 契約に適用される国の法律です。 |
| 결재선 | gyeoljaeseon | 依頼を承認すべき人の順序です。 |
根拠
- EU一般データ保護規則(GDPR)第28条第3項・第9項(Regulation (EU) 2016/679): https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32016R0679
- 個人情報保護法第26条・第64条の2・第75条(개인정보 보호법 제26조·제64조의2·제75조): https://www.law.go.kr/법령/개인정보보호법
- 個人情報保護法施行令第28条(개인정보 보호법 시행령 제28조): https://www.law.go.kr/법령/개인정보보호법시행령
- 職業安定法第2条の2・第19条(직업안정법 제2조의2·제19조): https://www.law.go.kr/법령/직업안정법
- 職業安定法施行規則第18条の2(직업안정법 시행규칙 제18조의2): https://www.law.go.kr/법령/직업안정법시행규칙
このガイドは2026年10月23日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。

