韓国の経験者採用では、求人ごとに履歴書を書き直します
韓国の企業に応募する経験者向けに、職務記述書に合わせた履歴書の書き方、成果の示し方、書かなくてよい個人情報をまとめました。
ひと目でわかるポイント
- 最初の作業
- 職務記述書で繰り返されるキーワード3~5個を探す
- 分量
- 2ページ以内
- 採用でのAI活用(上位500社、2025年)
- 21.7%が使用、74.5%が導入・拡大を計画
- 常時30人以上の事業場
- 容貌・出身地域・家族の情報を求めてはならない
- 違反した場合
- 500万ウォン以下の過料(採用手続法)
このガイドは、韓国の企業に応募する経験者(外国人を含む)向けです。同じ履歴書をあちこちに送るやり方は、もう通用しません。求人ごとに職務記述書を読み、それに合わせて履歴書を書き直し、成果を数字で示し、2ページ以内にまとめましょう。
万能の履歴書が通用しない理由
韓国の大企業の採用は、随時採用と経験者採用が中心になりつつあります。雇用労働部(고용노동부)は2025年11月、売上高上位500社を対象とする「2025年企業採用動向調査」を発表した際、この傾向が強まっていると述べました。
書類選考の方法も変わっています。同じ調査には396社が回答しました。86.7%が人事業務にAIツールを使い、21.7%が採用にAIを使っていました。主な用途は、AIによる適性・能力検査(69.8%)、応募書類の確認(46.5%)、AI面接(46.5%)です。74.5%は採用へのAIの導入や拡大を計画しています。若手社員の42.3%は就職準備にAIツールを使い、主に自己紹介書や履歴書の作成(77.2%)に活用していました。
同じ職種でも、会社によって求めるものは違います。財務マネージャーを採用するスタートアップは、多くの業務を柔軟にこなせる力を重視するかもしれません。大企業は、特定分野の専門性と体系的なプロセスを回す力を重視するかもしれません。ですから、合わせて書くとは会社名を変えるだけではありません。経歴の書き方、強調する成果、使う用語まで調整します。時間はかかりますが、その価値はあります。
まず職務記述書を読む
職務記述書(직무기술서)には、会社が求める人物像のヒントが詰まっています。ざっと目を通すのではなく、じっくり読んでください。
- 何度も出てくるキーワードを探します。たいてい3~5個で、そのポジションで最も重要な能力や経験を示しています。
- 必須要件(필수 요건)と歓迎要件(우대 요건)を分けます。
- 必須要件はすべて、履歴書ではっきり分かるように書きます。当てはまる歓迎要件は、強調しすぎない程度に書きます。
- 冒頭のコア・コンピテンシー欄で、職務の主な要求とあなたの強みが重なる点を示します。
経歴は成果で書く
選択と集中が必要です。応募するポジションに関係のない経歴は短くするか外し、重要な経歴は具体的な成果とともに詳しく書きます。担当業務ではなく、解決した問題と生み出した価値を中心に書きます。
| こう書く代わりに | こう書きます |
|---|---|
| 財務報告書の作成を担当 | 月次の財務報告書の作成プロセスを改善し、作業時間を30%短縮して正確性を高めました |
採用担当者が要点をすぐにつかめるよう、履歴書全体は2ページ以内に収めます。
韓国と欧米の履歴書の違い
欧米の企業向けの履歴書は、ふつう短く成果中心で、個人情報は最小限、1ページ程度が多いです。韓国の企業はより詳しい情報を期待する傾向があり、今も学歴や資格をよく見ます。雇用労働部の2025年の調査も同じ方向です。企業は専門性を主に専攻(22.3%)、インターンなどの業務経験(19.1%)、職務関連の教育・訓練(17.4%)で評価し、若手社員は専攻(30.2%)、職務関連の資格(18.4%)、業務経験(18.2%)が入社に役立ったと答えています。
ただし、企業が求められる情報には法律上の限界があります。採用手続の公正化に関する法律(채용절차의 공정화에 관한 법률)により、常時30人以上の労働者を使用する事業場は、職務に必要でない情報を書かせたり証明させたりできません。容貌・身長・体重などの身体的条件、出身地域・婚姻の有無・財産、直系の親族(親や子など)と兄弟姉妹の学歴・職業・財産が該当します(第4条の3)。違反すると500万ウォン以下の過料です(第17条)。職務に必要でなければ、こうした情報を書く必要はありません。
表現の調子にも気を配りましょう。韓国の読み手は控えめな表現を好む傾向があるので、自己アピールしすぎず、事実と成果を淡々と書きます。
実践のコツ
- 最新のスキルを示します。デジタル化で職務ごとに新しい能力が求められています。会計ならERPシステムとデータ分析、人事ならHRテックの活用力を強調します。
- 読みやすくします。余白と箇条書きを使います。
- 誤字脱字をなくします。基本的なミスは専門性を疑われる原因になります。何度も見直し、できればほかの人にも確認してもらいます。
- 連絡先を確認します。古い連絡先のせいで面接の機会を逃すことがあります。
チェックリスト
- 職務記述書で繰り返し出てくるキーワード3~5個に印をつけます。
- 満たしている必須要件と歓迎要件に印をつけます。
- この職務に合わせてコア・コンピテンシー欄を書き直します。
- 業務ごとに、数字の入った成果に書き換えます。
- 関係のない経歴を外し、2ページ以内に収めます。
- 職務に必要でなければ、容貌・出身地・婚姻の有無・財産・家族の情報は書きません。
- 校正し、電話番号とメールアドレスを確認します。
よく目にする韓国語の用語
| 用語 | ローマ字表記 | 意味 |
|---|---|---|
| 직무기술서 | jingmu gisulseo | 職務の内容と要件を書いた職務記述書です。 |
| 필수 요건 | pilsu yogeon | 必ず満たすべき必須要件です。 |
| 우대 요건 | udae yogeon | 満たしていると評価が上がる歓迎要件です。 |
| 핵심역량 | haeksim yeongnyang | コア・コンピテンシー。履歴書の冒頭にまとめることが多いです。 |
| 경력기술서 | gyeongnyeok gisulseo | 担当した職務やプロジェクトを詳しく書く経歴書です。 |
| 서류전형 | seoryu jeonhyeong | 応募書類で審査する選考段階です。 |
| 수시채용 | susi chaeyong | 決まった時期ではなく、必要なときに行う随時採用です。 |
| AI 역량검사 | AI yeongnyang geomsa | AIによる適性・能力検査です。 |
| 채용절차법 | chaeyong jeolchabeop | 採用手続の公正化に関する法律。常時30人以上の事業場に適用されます。 |
| 기초심사자료 | gicho simsa jaryo | 履歴書、応募書、自己紹介書など最初の審査に使う書類です。 |
根拠
- 雇用労働部・韓国雇用情報院「2025年企業採用動向調査」第2次(AI活用)結果(2025년 기업 채용동향조사、ニューシス2025年11月28日): https://www.newsis.com/view/NISX20251128_0003421061
- 雇用労働部・韓国雇用情報院「2025年企業採用動向調査」第1次結果(ニューシス2025年11月18日): https://mobile.newsis.com/view/NISX20251118_0003406827
- 採用手続の公正化に関する法律第3条・第4条の3・第17条(채용절차의 공정화에 관한 법률): https://www.law.go.kr/법령/채용절차의공정화에관한법률
このガイドは2026年10月23日時点の一般的なルールを説明したものです。法律・税務の助言ではありません。法令や書式は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトを確認するか専門家に相談してください。

